「構築環境:もう一つの日本ガイド展」開催

令和7年7月11日

 在カルガリー日本国総領事館は、カルガリー大学建築学部との共催で、アサバスカ大学とカルガリー日本文化協会の協賛のもと、国際交流基金の海外巡回展「構築環境:もう一つの日本ガイド展」を開催します。本展は、8月8日(金曜日)から29日(金曜日)まで、カルガリー大学建築学部都市建築デザインラボで開催されます。

 今回の展示は、日本の各都道府県に現存する建築、土木、ランドスケープなど80点を取り上げ、写真とテキストと映像で紹介するものです。地理的に多様で、多くの自然災害に見舞われてきた日本において、人々が自然環境とどのように対話し格闘してきたか、どのように地域性を継承し創造してきたかという観点から、日本各地の建造物を取り上げ、従来あまり紹介されてこなかった日本の一面を紹介します。

 さらに、特別展として日本に関連するカルガリー大学とアサバスカ大学の学生作品、カルガリー日本文化協会のレガシープロジェクト(センターの再建計画)、および在カルガリー日本総領事館が主催するフォトコンテストの受賞作品が展示されます。

・日程:2025年8月8日(火曜日)~29日(金曜日)の平日(8月12日を除く)
・時間:午前8:30~午後5:00
・場所:カルガリー大学建築学部都市建築デザインラボ(616 Macleod Trail SE, Calgary, AB)
・観覧料:無料

※8月12日はプライベートイベントのため午後2時より閉館いたします。

【「構築環境:もう一つの日本ガイド展」について】
 この巡回展「構築環境:もうひとつの日本ガイド」は、建築、土木、ランドスケープなど80点を取り上げ、写真とテキストと映像で紹介するものです。時間軸としては、19世紀後半の近代化以降、地理的には、日本を構成する47 の都道府県の中から最低一つを選んでいます。
 日本は、南北に長い列島で構成されており、多くの地域で四季の変化がある、地理的に多様性に満ちた国です。加えて、地震、噴火、津波、台風などの自然災害に頻繁に見舞われてきた国でもあります。当然、そこでつくられる建築や土木やランドスケープは、そうした条件を色濃く反映しています。
 日本における建造物を、造形の美しさや高度な建造技術といった観点からのみ評価するのでは、その面白さの一部分を理解したことにしかなりません。それらを、歴史的背景や空間的文脈との対話の産物として評価すること、そうした観点から見て興味深い建築や土木やランドスケープに目をむけてみること、それが「構築環境」というアイデアです。日本が近代化以降、高度経済成長やバブルの崩壊を経て今に至るまでの間、どのような「対話」をしてきたか、日本という国の歴史や環境や文化をより深く理解するためにつくりあげたのが本展です。本展が、従来のものではあまり紹介されてこなかった日本の一面を紹介する「もうひとつの日本ガイド」となれば幸いです。