アルバータ山初登頂100周年記念レセプションの開催と式典への参加
令和7年7月28日
1925年7月21日、日本の登山隊が、バンフとジャスパーの間にそびえるカナディアン・ロッキーで5番目、アルバータ州内で3番目に高いアルバータ山(標高3,619m)に初登頂しました。当時、この山はカナディアン・ロッキーの中で唯一の未踏峰でした。西海岸のバンクーバーから列車でジャスパーに到着した彼らは、ほぼ垂直に切り立った岩壁に挑み、7月21日午後7時35分、ついに山頂に到達しました。地元の新聞は、高名な日本の登山家たちがコロンビア大氷原を探検し、アルバータ山を初めて制覇したと報じました。
登山隊は、槇有恒隊長をはじめとする慶應義塾大学山岳会の4名と、学習院大学登山部の2名、計6名で構成されており、3名のスイス人ガイドの案内を得て登頂を果たしました。彼らは山頂にケルン(石積み)を築き、登頂を記した置き手紙とともに、細川護立侯爵(旧肥後熊本藩・細川家第16代当主)から拝領したピッケルを残しました。このピッケルは、日加米が共有する登山の歴史の象徴として、現在はジャスパー・イエローヘッド博物館に恒久展示されています。
そして2025年7月21日、初登頂からちょうど100年を迎えました。日本山岳会の訪問団がカルガリーに到着した17日、倭島総領事は、前年の山火事で傷ついたジャスパーを励ますきっかけにもなればとの願いを込め、総領事公邸にて記念レセプションを開催しました。リック・マクアイバー州議会議長やマイク・エリス州副首相をはじめ、カナダ側からも多数のゲストが訪れ、日本山岳会からはアルバータ山初登の歴史についてご紹介いただきました。
21日には、ジャスパーにて記念式典が開催され、地元の多くの方々が参加されました。日本山岳会からは、初登頂者である三田幸夫さんのご息女・芳賀淳子さんが出席され、「カナダの人々が、日本人による初登頂の歴史を100年にわたり大切に語り継ぎ、これほどまでに祝福してくださっていることに感動し、胸がいっぱいです。父も天国できっと喜んでいることでしょう」と感謝の言葉を述べられました。また、100周年を記念し、日本から訪れた新たな山岳隊がアルバータ山への登頂に挑み、見事成功。7月28日に無事下山しました。
なお、初登頂時に山頂に残されたピッケルが、その後どのような経緯で現在のように博物館に展示されることになったのかには、興味深い物語があります。詳しくは以下のコラムでご紹介していますので、ぜひご覧ください。また、ジャスパー・イエローヘッド博物館では、10月初旬までアルバータ山初登頂に関する特別展示が行われています。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
https://www.calgary.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00767.html
ジャスパー・イエローヘッド博物館での展示の様子
ジャスパー・イエローヘッド博物館での展示の様子
登山隊は、槇有恒隊長をはじめとする慶應義塾大学山岳会の4名と、学習院大学登山部の2名、計6名で構成されており、3名のスイス人ガイドの案内を得て登頂を果たしました。彼らは山頂にケルン(石積み)を築き、登頂を記した置き手紙とともに、細川護立侯爵(旧肥後熊本藩・細川家第16代当主)から拝領したピッケルを残しました。このピッケルは、日加米が共有する登山の歴史の象徴として、現在はジャスパー・イエローヘッド博物館に恒久展示されています。
そして2025年7月21日、初登頂からちょうど100年を迎えました。日本山岳会の訪問団がカルガリーに到着した17日、倭島総領事は、前年の山火事で傷ついたジャスパーを励ますきっかけにもなればとの願いを込め、総領事公邸にて記念レセプションを開催しました。リック・マクアイバー州議会議長やマイク・エリス州副首相をはじめ、カナダ側からも多数のゲストが訪れ、日本山岳会からはアルバータ山初登の歴史についてご紹介いただきました。
21日には、ジャスパーにて記念式典が開催され、地元の多くの方々が参加されました。日本山岳会からは、初登頂者である三田幸夫さんのご息女・芳賀淳子さんが出席され、「カナダの人々が、日本人による初登頂の歴史を100年にわたり大切に語り継ぎ、これほどまでに祝福してくださっていることに感動し、胸がいっぱいです。父も天国できっと喜んでいることでしょう」と感謝の言葉を述べられました。また、100周年を記念し、日本から訪れた新たな山岳隊がアルバータ山への登頂に挑み、見事成功。7月28日に無事下山しました。
なお、初登頂時に山頂に残されたピッケルが、その後どのような経緯で現在のように博物館に展示されることになったのかには、興味深い物語があります。詳しくは以下のコラムでご紹介していますので、ぜひご覧ください。また、ジャスパー・イエローヘッド博物館では、10月初旬までアルバータ山初登頂に関する特別展示が行われています。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
https://www.calgary.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00767.html
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
挨拶を行うマイク・エリス・アルバータ州副首相 |
挨拶を行うリック・マクアイバー・アルバータ州議会議 |
挨拶を行う荒川一郎日本山岳会常務理事 |
芳賀淳子さんが手がけた絵本「アルバータ山のピッケルものがたり」の贈呈 |
![]() |
芳賀淳子さんとご令孫の勝沼昌太郎さんと芳賀千歌子さんがバンフを訪れる様子 |
![]() |
屋外レセプションには、リチャード・アイルランド・ジャスパー市長やイザベル・ディニョー・カナダ山岳会長、橋本しをり日本山岳会会長をはじめとするご来賓の方々が出席しました |
![]() |
釣博泰氏とタイラー・トーズ氏が制作したアルバータ山脈の壁画の前で、山の歌を英語と日本語の両方で歌いました |
![]() |
100周年を記念してアルバータ山への登山を行うメンバーがジャスパーに集まり、後日無事に登頂することができました |
![]() |
「アルバータ山 1925-2025」と書かれたケーキをカットする芳賀淳子さん |
![]() |
ウォーレン・ワクサー氏による、6人の登山家がアルバータ山頂に残したピッケルの歴史ついての講演 |
![]() |
|
(左から)日本山岳会金子夫妻、芳賀淳子さん、倭島総領事、荒川一郎さん |
![]() |
![]() |